転職、もしくは何らかの事情で会社を辞めることになった時は、ちょっと慎重にいきましょう。
たとえそこがブラック企業だったり、二度と関わりたくない会社だったとしてもです。会社を辞める時には上手な辞め方というものがありますし、ものには順序というものがあります。
今回は7回の転職経験者として気をつけておきたいことをいくつかご紹介していきます。
とにかく穏便に
会社を辞める時にはできるだけ穏便に辞めることをおすすめします。
在職中の会社や上司に嫌気がさして辞める場合は、捨て台詞のひとつも吐いてやりたい気持ちもわかりますが、そこはグッと飲みこんでおいた方が得策です。
理由は、退職後もその会社に連絡を取る必要がある場合もあるからです。
例えば、
- 離職届が届かない
- 源泉徴収票を送ってもらわないといけない
など退職後しばらくは何かしらの連絡を取る場合が出てきます。また、同業界で転職する場合はどこで顔を合わせるかわかりません。
できるだけもめごとのないような辞め方をすることをおすすめします。
立つ鳥跡を濁さず
自分の担当していた仕事については、きちんと引き継ぎをしておきます。
これは、社内もですが、特に取引先に対して重要です。退職のご挨拶はもちろんですが、仕事の処理と後任への引継ぎをきちんとしておきましょう。
同業他社へ転職する場合には、これがとても重要になります。
どうせこの会社は辞めるからといっていい加減な引継ぎをすると、あなた自体がいい加減な人という評価を受けてしまい、転職後の取引もやりにくくなってしまいます。
また、明文化できることは書類にしておくとよいでしょう。これは、あとあとまで退職した会社から連絡が来ないようにするためでもあり、最終的には自分が楽になるためです。
退職のタイミングは読んでおく
転職先への入社時期との兼ね合いもありますが、転職するタイミングは計っておいたほうが良いでしょう。
例えば12月や3月の決算前に辞めるとか、プロジェクトリーダーをしているのにプロジェクトのど真ん中で辞めるなど、明らかに引き留められる可能性のある時期は避けた方が無難です。
しかし会社がなんとなく辞めさせたがっているとか、会社に居づらい雰囲気だという場合には遠慮することはありません。速攻で辞めて大丈夫です。
退職届は直接の上司に
よくあるアドバイスですが、退職する旨の報告は直接の上司にしましょう。
これは意外と大切なことなのです。あなたの方が上司より年上だったり、会社でのキャリアが古かったとしても同じことです。退職届を直接出すよりも、一旦上司に相談して、その後退職届を持って本格的に退職の旨を伝える方がスムーズです。
直接の上司よりも可愛がってもらった以前のボスに直接伝えたいという場合もままありますが、この順番を飛ばすと拗ねたり嫌がらせをする上司もいます。
退職までの期間は早ければ1ヶ月くらいですが、引継ぎが延びたり、プロジェクトの途中だったりすると長引いてしまうこともあります。
その間スムーズに引き継ぎをして気持ちよく辞めるためには、退職届の順番でごちゃごちゃするよりも、順番通りにしておけばもめごとは少なくなります。また、先に他の人に相談していると思わぬところから「あの人辞めるみたいだよ」という噂が上司の耳に入らないとも限りません。
退職関係の噂はみんな大好きです。初めに上司に相談しておけば他から上司の耳に入ることもありません。
どうしても真っ先に退職を伝えたいとても大切な人には、上司に相談してすぐに伝えておけば気持ちは伝わります。
転職理由は建前でいい
よくある転職理由は、「家庭の事情」か「健康上の理由」ですが、表面上の理由はこれで押し通して大丈夫です。というよりもそれで押し通す方がいいです。
誰もそれが本当の理由だとは思いませんが、それでいいのです。
- 「給料が安いので辞めます」
- 「上司が気に入らないので辞めます」
などと本当のことは言ってはいけませんし、言う必要もありません。
よほど下世話な会社でない限り根ほり葉ほり聞いてきませんし、本当の退職理由を言ったところでその会社がその原因を改善してくれるはずもありません。
ひとつ気をつけておきたいことは、健康上の理由の場合です。この理由の裏の意味は「ちょっとうつ気味になった」というケースが多いのですが、その場合「うつ」という言葉は使わないほうが得策です。
休職して疾病手当をもらう場合は別ですが、退職の場合はリスクが伴います。会社にうつにされて退職せざるを得なくなったのにもかかわらず、取引先に「うつになって辞職した」と言いふらすというとんでもない人も中にはいます。
ここまでの確認
会社をスムーズに辞めるコツは、とにかく最後まで穏便に物事を進めるということです。転職する場合には多かれ少なかれその会社に不満を持っていることがほとんどだと思います。
「辞める前に一言言ってやる」という気持ちもあるかもしれませんが、怒りにまかせて喧嘩別れしてもろくなことはありません。
また、一旦辞めると決めたら自然と怒りもおさまるものです。会社への不満は、「こうすればその会社がもっとよくなる」ということの裏返しです。辞めてしまう会社に改善点を教えてあげる必要はありません。
いかにあなたが気持ちよく辞められるかを第一に考えれば、行動はおのずと決まってきます。ただ、会社の理不尽な要求には答える必要はもうありません。
感情的にならず、お互い同格の社会人として交渉する覚悟も必要です。