転職は自分一人だけの力で成功させることは難しいものです。そこで力になってくれるのが、転職エージェントです。転職サイトに登録すると、担当のエージェントから連絡があり、転職が実現するまでのサポートをしてくれます。
連絡があってから初めに行われるのが、転職エージェントとの面談(カウンセリング)です。面談というと企業の面接のようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際はもっとフランクなもので、雑談を交えて行われることも多いです。
ただし、面談の前にはいくつか準備をしておかなければならないポイントがあります。
面談の前に準備を整えておくことはなぜ重要?
転職エージェントとの面談の前には、『転職したい理由』や『希望の業種・職種』といった内容をしっかりと伝えられるように準備をしておかねばなりません。
こうした準備が疎かなままでは、「絶対に転職したい!」というこちらの本気度が伝えられず、転職エージェントに「この人はサポートする気になれない…」と思われてしまいます。
結果的に、転職活動全体の質が落ちてしまい転職が失敗に終わる確率が高くなってしまいます。
面談の時間を有効に使うためには、最低限、次の4つのポイントを押さえておくことが必要です。
転職したい理由
ほとんどの場合、面談でまず始めに聞かれるのが『転職したい理由』です。面談は企業の面接ではないので、理由を述べる際は、正直に答えても問題ありません。
たとえば、「今の会社よりももっと休みの多い会社に行きたいと思ったからです。」という理由は企業の面接ではマイナス評価になりがちですが、転職エージェントとの面談では単純に『転職先に望む条件』として捉えられます。
むしろ、見栄を張って思ってもいない理由を言ってしまうことは、本人の希望が曖昧になり本当に合う転職先が見つかりににくくなる要因になります。
「極力働きたくないので仕事量が少ない会社が良いです。」といった、よほどネガティブな希望でない限り、給料、福利厚生、勤務地といった他の条件も正直に伝えると良いでしょう。
希望する業種・職種
- 「どんな業界で仕事がしたいのか?」
- 「ルート営業がいいのか、もしくは新規開拓営業がいいのか?」
といった希望も、整理しておくことが大事です。
「今の自動車部品の会社では国内営業をしていましたが、転職先では、学生時代のアメリカ留学で培った英語スキルを活かせる海外営業がしたいです。」という具合に、できるだけ明確に伝えることがポイントです。
業種や職種の希望が複数あり決めかねている場合は、事前にメモにまとめておくなどして、分かりやすく整理しておくと良いでしょう。
自己PR(強み)
強みや実績を伝えることで、転職エージェントもそれに合った企業を探したり紹介したりしやすくなります。
新卒やフリーターからの就活で行う自己PRと違うのは、『これまでの仕事で培った経験を裏付けとして、自分の強みをPRすること』が重要になるという点です。
たとえば、『創意工夫できる力』を強みとしてPRしたい場合は、次のようなエピソードや実績による裏付けが必要です。
“前職では、単純だが1時間近くかかる事務的業務があった。その業務を自分なりに工夫して30分で済むように改善した結果、それが社内のモデルとして共有された。”
適切な自己PRがどうしても思いつかない場合は、自分がしてきた仕事や経験を箇条書きにして持参し、面談の場で転職エージェントに相談しても良いでしょう。
気になる質問のまとめ
面談の時間は短くて30分、長くても1時間半程度しかありません。
しかもほとんどの場合、直接顔を合わせて相談ができるのは1回限りです。面談の時間を最大限有効に活用するために、転職活動を進めるにおいて『気になる質問』を事前にまとめておきましょう。
気になっていること、不安に思っていることは人によって違うと思いますが、たとえば次のような質問を聞いておくと良いでしょう。
- 私のスキルや希望から、他に検討すべきお勧めの業種や職種はありますか?
- 電話やメールではどの程度の頻度で相談させていただくことが可能ですか?
- 転職活動のモチベーションを維持するコツなどありますか?
- 仮に1社目が不採用になった場合、サポートの内容はどのように変わりますか?
ここまでの確認
面談後は、『お礼メール』を送ることもポイントです。
転職エージェントからの印象アップは、その後の転職活動を手厚くサポートしてもらえることにもつながります。間違っても「こっちは利用客だぞ」という偉そうな態度で接することのないようにしましょう。