厚生労働省によると平成29年8月の有効求人倍率は1.52倍となっており、転職希望者にとっては大きなチャンスの時期と言えます。
また、働き方や人生に対する価値観の多様化といった時代の変化も、転職ブームに拍車をかけています。
さて、この記事を読んでいる人のほとんどは遅かれ早かれ転職を考えている人だと思います。
当然、「絶対に失敗したくない!」という想いを持っているはずです。転職に失敗しない確率を上げるためには、転職サイトの募集要項をいかに賢く見るか、が重要です。
募集要項をしっかりチェックする重要性
「面倒くさい!」という理由で募集要項を適当にチェックしたまま応募し、たとえ運よく採用を勝ち取ったとしても、後々自分がリスクを被(こうむ)る可能性があります。
たとえば次の3つです。
- 自分が本当にやりたい仕事内容ではなかった
- 労働環境が劣悪だった
- 転職する前よりも生活が不安定になった
募集要項をしっかりとチェックした上で応募することは、こうしたリスクを含む企業に転職してしまう可能性を最小限に抑えるためには非常に重要なのです。もっと言えば、募集要項でチェックするべき必須ポイントを押さえることは、転職成功のための重要なカギと言うことになります。
応募条件
募集要項で一番初めにチェックすべき点と言っても過言ではありません。
たとえ、「絶対にこの会社で働きたい!」という想いが人一倍強い自信があっても、応募条件を満たしていなければ、そもそも応募すらできない可能性もあるからです。
希望の会社が見つかった際は、応募条件に
- 『業界未経験不可』
- 『○○資格必須』
などといった必須条件がないかどうかを確認するようにしましょう。
ただし、条件に満たなかった場合でもすぐに諦める必要はありません。転職活動を始めるまでに、必要な経験を積んだり資格の勉強をしたりして、少しでも応募条件に値する力を磨くと良いでしょう。
職種(業務内容)
ITや不動産など、自分が希望する業種を絞るのは比較的簡単ですが、希望する職種を見つけるのは難しいものです。
たとえば、ひとくちに『営業職』といっても、
- B to B営業
- B to C営業
- ルート営業
- 飛び込み型営業
など種類がたくさんあります。
仕事内容をしっかりとチェックして、自分の希望する営業スタイルで仕事ができるかを確認することがポイントです。その業種・職種で働いている友人や先輩がいれば、詳しい業務内容について直接聞いてみるのも賢い方法です。
労働条件
残業時間が異常に長い、休日がほとんどない(年間休日80日以下など)、みなし残業が常態化している、といったいわゆるブラック企業はまだまだ多く存在します。
残業代の支給制度や休日出勤をした場合の振替制度などの仕組みを明確に記載しているかどうかをチェックするようにしましょう。
また、募集要項には『残業ナシ』、『完全週休二日制』などと書かれていても、実際は長時間労働や休日出勤が当たり前になっている会社も少なくありません。
このように外から見るとホワイト企業に見えるものの、実態はブラックな環境な会社を隠れブラック企業と呼びます。
ネット上にある企業の評価・口コミサイトなどを参考にして、勤務経験者からのリアルな情報をチェックしてみるのも重要です。
福利厚生
福利厚生とは、企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する報酬のことです。
健康保険や厚生年金といった社会保険や退職金といった報酬だけでなく、住宅手当や家族手当といったものも含まれるため、家族を持っている人は特に念入りにチェックしておきたい項目です。
また、設けている企業は多くありませんが、企業年金や持ち株制度といった福利厚生がある企業は、福利厚生が非常に充実していることを表す1つの目安と言えます。
たとえ今、配偶者や子どもがいない人であっても、充実した福利厚生があるのとないのとでは、将来に対する不安も大きく変わるはずです。
独身で一人暮らしの人にとっては、
- 借上社宅
- 家賃補助
- 社員食堂
といった制度の有無も重要なチェックポイントになるでしょう。
ここまでの確認
ここで紹介したチェックするべきポイントは、あくまで基本的なものばかりです。自分が希望する条件によっては、他にも重視するべきポイントがある場合もあります。
たとえば、今の会社より昇給率の高い会社に転職したい人は給与体系や賞与入念にチェックするべきですし、生まれ育った地元でずっと働きたい人は転勤の有無をチェックすべきです。
まずは「自分はどんな会社・条件で働きたいのか」というビジョンを明確にした上で、募集要項を確認することを忘れないようにしましょう。