転職をする際、自ら望んで「ブラック企業で働きたい!」などと言う人はいないはずです。
ただ、ブラック企業か否かを見分ける方法を知らなかったために、望まずともブラック企業に入社してしまい後悔している人は少なくありません。
近年、テレビやネットなどで劣悪な労働環境による自殺や過労死といった深刻なニュースが流されているため、自社がブラック企業であることを隠して人材を募集している企業も増えています。
転職前にブラック企業を見分けるには、どのようなポイントに注意して転職活動をするべきなのでしょうか。
転職前にブラック企業を見分ける重要性
転職は、ある面では新卒からの就職よりも人生の転機と言える一大イベントです。
新卒からの就職に失敗して早期退職しても、『第二新卒』としてすぐに次の就職先が見つかる可能性は高いですが、二度目の就職先である転職先を早期退職した場合は事情が違います。
たとえ、転職先の企業がブラック企業で早期退職した場合であっても、次に受ける3社目の企業の採用担当者や経営者からは、
- 『仕事を長く続けられない人』
- 『採用してもすぐ辞められるかもしれない』
といったマイナスの評価を受ける可能性が高いからです。
そして次を目指そうと思っても、企業とのめぐり逢いが悪かったり、不採用が続いて自信を失くして精神的に弱ったりしてしまえば、そのまま正社員への道が断たれてしまう可能性もあります。
つまり、失敗した場合に起こり得る、
- 転職先が見つからない
- 精神疾患になる
- 正社員になれない
といったこのような重大リスクを回避することこそが、『転職前にブラック企業を見分けることの重要性』なのです。
ブラック企業を見分ける基準は、主に次の4つです。
応募条件
掲載している応募条件が、極端に甘い・緩い企業はブラック企業である可能性が高いです。
募集をかけてもなかなか人材が集まらないことから、転職希望者から見ると上辺だけ魅力的な条件をそろえている企業があります。極端に甘い・緩い条件とは、たとえば以下のようなものです。
- 学歴不問の人物重視
- ノルマ一切なし
- 未経験大歓迎
- すぐにでも年収○万円以上可能
- やる気次第で成長できる
このように、本来即戦力としての活躍が期待される中途採用者に求められるはずのスキルや経歴が応募条件に求められていない場合、慎重に判断する必要があります。
離職率
離職率もブラック企業か否かを判断するための重要な基準です。
ただし、ブラック企業は離職率を募集要項に掲載していることはほぼありません。当然、実際に『30%』、『50%』といった高い離職率であっても公表してしまうと人材が集まりにくくなるからです。
ですので、転職サイト以外の場所、たとえば、
- 『企業に関する口コミや評価』
- 『就職・転職に関する掲示板』
といったところから情報を手に入れると良いでしょう。
求人広告の掲載期間
繰り返しになりますが、労働条件や職場環境が劣悪であるブラック企業は、慢性的な人材不足です。そのため、ブラック企業の求人広告は、他の企業に比べると長期に渡って掲載されていることが多いです。
「転職サイトを開くたびに募集してる…」という企業があれば、ブッラクである可能性を疑いましょう。ちなみに、マイナビ転職やリクナビ転職の求人掲載期間は2週間~4週間が一般的です。
この掲載期間の特徴は、大手・中小の転職サイトに限らず共通して見えるものなので、必ずチェックしておきましょう。
オファー・スカウトメール
転職サイトに登録すると、企業からのスカウトメール(オファーメール)が届くことがあります。
そのメールは主に2種類に分けられます。
- 『一斉送信でDMのようなメール』
- 『企業の採用担当者から直接来たメール』
です。
仮に前者の場合、「誰でもいいからとにかく採用したい!」というブラック要素の強い企業である場合が多いです。
メールの内容は、定型文、頻繁に送られてくる、応募条件が緩い(『書類審査なし!』など)といった特徴があるので注意しましょう。
ここまでの確認
ここで紹介した4ついずれかのポイントに該当するからと言って、その企業が100%ブラック企業だとイコールで判断するのは早計です。
たとえば、『未経験OK』、『フリーター歓迎』といった応募条件を記載している場合であっても、しっかりとした研修・教育体制を整えているホワイト企業も世の中にはたくさんあります。
1つのポイントだけを見るのではなく、4つのポイントを総合的に評価して判断することが重要です。
「ブラック企業かどうかわからない…」と自分の判断に自信がない場合は、登録した転職サイトのエージェントはもちろん、前職の上司や同僚、家族や友人などから客観的な意見をもらうことで冷静に賢く判断できるはずです。