転職を成功させるには、前職で培った高いスキルや生かせる資格など、採用担当者にPRできる強みがあれば当然有利になります。
しかし、スキルや資格があるからと言って100%成功するとは限りません。反対に、有利になる強みをほとんど持っていないにも関わらず、人気の高い企業への転職を成功させてきた人もいます。
両者の違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは、初めて転職をする人に向けて、採用されやすい人が持っているポイントについてご紹介します。実務スキルや資格以外のポイントを紹介するので、キャリアや学歴に自信がない人ほど参考にしていただけるはずです。
転職で採用されやすい人はココが違う!
これから紹介する4つのポイントは、自分が本当にやりたい仕事を見つけることができれば、誰でも実践できるものです。
- 「正社員になりたいから」
- 「お金を稼ぐ必要があるから」
といった外からの動機ではなく、「好きな仕事だからやりたい!」という内発的な動機は、熱意や本気度として自分の言動に表れ、採用担当者に自然と伝わります。
米エール大学・レゼスニエウスキーらの研究チームが、アメリカ士官学校の生徒延べ1万人以上を対象に行った『志望動機とその後のキャリアに対する意識調査』によると、
『「理由付け」をする人ほど、長期的には結果が悪くなる傾向が出た』という結果になったそうです。(参考:明治大学教授 堀田秀吾『科学的に元気になる方法集めました』P100)
つまり採用されやすい人の特徴とは、給料や福利厚生、体裁やプライドといった『転職するべき理由』を考えるよりも先に、『自分はどんな仕事がしたいのかに気づくことに成功している』という点にあります。
では、こうした内発的な動機は、実際の採用プロセスにおいてどのようなプラスの言動となって表に出るのでしょうか。
転職サイトの選び方
まず、本当に自分のやりたい・好きな仕事が見つかっている人は、自分に合った転職サイトを見つけることに苦労しません。
ひとくちに転職サイトと言っても、リクナビやマイナビといった大手が運営するものだけではありません。IT、美容、介護、外資、金融など業界に特化した転職サイトもたくさんあります。
自分あった転職サイトを利用することで、当然マッチする企業が見つかりやすくなりますし、転職活動に対するモチベーションも維持しやすくなるため、ひいては転職成功にもつながりやすくなります。
応募する企業の選び方
やりたい仕事が明確になっていれば、応募する企業選びにも迷うことは少なくなります。
反対に明確でない人は、募集要項の応募条件、給与・福利厚生、労働時間といった内容だけに意識が寄り過ぎてしまいがちで、その先に行き着くのは『誰もが行きたがる人気の企業』です。
結果的に、倍率の高い企業ばかり受けてしまうことになるため、採用される確率も低くなってしまう傾向にあります。
やりたい仕事が明確であれば、応募条件が満たせていなくても、また多少給与や福利厚生が良い条件でなくても、積極的に応募にチャレンジする気持ちになるはずです。
自己PR・志望動機の中身
先ほど言ったように、「絶対にこの仕事がやりたい!」という熱意は採用担当者に伝わるものです。
もちろんそれだけで採用されることはほとんどありませんが、書類選考の自己PRや志望動機でその熱意を伝えることが大切です。
本気で志望しているのであれば、前職で培った経験をどう生かせるか、会社に入って何がしたいか、なぜその会社を志望しているのか、といった内容を書くのは難しくないはずです。
特別なスキルや資格がない人でも、簡潔かつ具体的な言葉や表現で自分のビジョンや熱意を伝えられるような文章を心がけましょう。
面談・面接での姿勢
採用されやすい人の共通点は、面談・面接といった場では、必ずと言っていいほど、『明るい表情でハキハキと話している』という点です。
ただ、絶対にこの仕事がしたいという熱意を持っている人と、給与など他の理由でその仕事に就くことを望んでいる人とでは、やはり差が表れます。
たとえば、前者はそのまま素直に気合や本気度が伝わりやすいのに対して、後者は「面接慣れしているだけでは?」、「きれいな言葉を並べているけど熱意はイマイチ」といった印象に受けとられがちです。
実際に、リクナビNEXTの『転職成功ノウハウ』というコンテンツに紹介されているある人事担当者の中には、社会人経験が浅い転職希望者を採用した理由の1つとして、『仕事への熱意とビジョンを自分の言葉で語っている』と言っている人もいます。
(リクナビNEXT転職成功ノウハウ『応募条件に満たないのに採用される人ってどんな人?』)
スキルや資格に自信がない人は、面接の技術を中途半端に身に付けるよりも、その熱意を面と向かって素直にぶつけることが、採用担当者には好印象を与える可能性が高くあります。
まとめ
これらは、どれか1つだけではなく4つすべてを実践することで、より採用されやすくなるPRに結びつきます。
そして繰り返しになりますが、大事なのは表面的な小手先の転職ノウハウにとらわれず、まずは、『やりたい仕事を明確にすること』だということを大前提として覚えておきましょう。
それが、熱意として転職活動に反映され、ノウハウを超えたオリジナルの魅力として採用担当者に伝わるはずです。